東京タワー

krur2007-03-29

原作は読んでもいないくせに映画が原作に一番忠実だという事で若干楽しみにしてた。そこには壮大なドラマがあるわけでもなく、親子の日常がそこにあった。
だらしなくて普通の「ボク」を演じるオダギリジョー。オダジョのこの演技だから「ボク」は単なるマザコン男で終わらないんだよね。ああこの人ホントに天才だなと思った。「ボク」のために生きた「オカン」を演じる樹木希林。この映画の素晴らしさは彼女の演技力の賜物だと思う。東京から故郷に戻った「オトン」を演じた小林薫。オトンがただの悪人でないと初めて気づいた。まずはこの主要キャスト3人の演技が本当に素晴らしい。大げさにならず淡々としたいつもの日常にきちんとなっていた。
幼少時代のボク*1の話が約1時間くらいかなあ。映画自体は2時間22分だけどそこまで長くは感じないです。
素晴らしい演技のオカンだけど、抗がん剤治療のシーンはすごい。見てるこっちが苦しくなるほど。オカンはいつもまーくんのオカンだけれどオトンの前では女なんだなあ。オトンが見舞いに来てくれる時に髪型を気にしたり指輪を左手薬指にはめたりとかわいらしい。オカンは基本すごくかわいらしい。見ていて自分の母親を思い出した。内田也哉子も希林さんには劣るけれど想像してたよりよかった。
ここまで書いたら感動巨編な感じがするけど笑いのシーンもたっぷり入っていた。特に平栗。平栗は勝地くんです。かっちゃんがオダジョと同級生かーって考えるとなんだか笑っちゃうけどかっちゃんは演技が素晴らしい。あの子が浅野務だったり大浦勉学だったりするなんて信じられない。かっちゃんは高校時代から最後まで演じてるんだけど、いやー笑った笑った。まずはダンサーになるってすごい服でダンスしてたり、モヒカンになったり、果てはオカマバーとかやってんの。平栗が出てくるだけで楽しいよ。
あとこの映画の楽しみ方?としては、豪華キャスト陣。誰がどの役か見ないで行ったからそれを見るだけでもおお!って思った。岩松さんどこだろーって思ってたら声の出演だった(笑)

*1:大学に入るまではオダジョではない